リレーとは?仕組み・種類・接点の読み方をわかりやすく解説

機電

「リレー」は電気制御の基本中の基本です。「どうやって動くの?」「a接点・b接点って何?」この記事ではリレーの仕組みから種類・接点記号の読み方まで、図解を使ってわかりやすく解説します。

リレーとは?

リレー(Relay)とは、小さな電気信号で大きな電気回路のON/OFFを制御するスイッチ装置です。「継電器」とも呼ばれます。小さな制御回路の電流で大きな動力回路を安全に制御できるため、PLC出力と実機器の間に入ることが多い重要な部品です。

たとえばPLCの出力端子は数十mAほどの電流しか流せませんが、モータや電磁弁を動かすには数アンペア以上が必要です。リレーはこの橋渡しをします。コイルに小電流を流すと電磁石が動作し、接点が切り替わって大電流回路をON/OFFできます。

有接点リレーの仕組み

有接点リレーの動作原理
コイルOFF時(非励磁)
・コイルに電流が流れていない
・電磁石の磁力なし
・バネの力で接点は開いた状態
・a接点:開放(OFF)
・b接点:閉じた状態(ON)
コイルON時(励磁)
・コイルに電流が流れる
・電磁石が磁力を発生
・可動鉄片が吸引されて接点が動く
・a接点:閉じる(ON)
・b接点:開放(OFF)

接点の種類(a接点・b接点・c接点)

接点種類別名動作回路記号
a接点(メイク接点)NO(Normal Open)コイルOFF時:開放。コイルON時:閉じる通常は開いている(———/———)
b接点(ブレーク接点)NC(Normal Closed)コイルOFF時:閉じている。コイルON時:開放通常は閉じている(———/———に斜線)
c接点(チェンジオーバー)転換接点・切換接点a接点とb接点を組み合わせた切換型a+b両方の記号

有接点リレーと無接点リレー(SSR)の比較

有接点リレー
・物理的な接点(金属)でON/OFF
・動作時に「カチッ」という音がする
・AC・DC両方の回路に使える
・接点磨耗(寿命あり)
・耐ノイズ性が高い
・安価で汎用的
寿命:電気的約100万回、機械的約1000万回
無接点リレー(SSR)
・半導体素子でON/OFF
・動作音なし・振動なし
・高速スイッチングが可能
・接点磨耗なし(理論上無寿命)
・発熱するため放熱設計が必要
・有接点より高価
SSR = Solid State Relay(ソリッドステートリレー)

リレーの主な用途

  • 回路の絶縁:制御回路(PLC出力・DC24V)と動力回路(AC200V等)を電気的に絶縁して安全性を確保する
  • 電力の増幅:小さな制御信号で大きな電力の回路をON/OFFする
  • 論理回路の構成:複数のリレーを組み合わせてAND・OR・NOT等の論理演算を実現する(PLC登場以前はリレーが論理演算を担っていた)
  • 自己保持回路:一度ONにした状態を保持する回路(ラッチ回路)に使われる

リレーの接点種類とシーケンス設計

リレーの接点には主にa接点・b接点・c接点(切換接点)があります。a接点(ノーマリーオープン/NO)はコイル励磁で導通するスイッチです。b接点(ノーマリークローズ/NC)はコイル励磁で遮断されるスイッチです。c接点はa接点とb接点の組み合わせで、コモン端子を含む3端子です。シーケンス設計では「AND回路(直列接続)」「OR回路(並列接続)」「NOT回路(b接点使用)」「自己保持回路(ラダー図の基本)」「インターロック回路(逆転防止等)」「タイマー回路」「カウンタ回路」が基本パターンです。

リレーとシーケンサの比較・使い分け

リレーを使ったシーケンス回路とPLC(シーケンサ)を使った制御の使い分けは実務で重要な判断です。リレーシーケンスは回路が目に見えてわかりやすく、特定の部品が壊れたときの故障診断が直感的です。一方PLCはプログラムで論理を定義するため、制御ロジックの変更が容易でコンパクトです。I/O点数が少なく(〜20点程度)制御ロジックが単純な場合はリレーが、多くのI/O・複雑な演算・通信機能が必要な場合はPLCが選ばれます。近年はI/O点数が少ない用途でもコストパフォーマンスからマイクロPLC(キーエンスKV-Nano・オムロンCP1L等)が採用されることが増えています。

リレーの選定・型式読み方とトラブルシューティング

リレーを選定するには「コイル電圧(DC12V・DC24V・AC100V等)」「接点構成(1c・2c・4c等)」「接点定格電流」「機械的寿命・電気的寿命」「動作時間・復帰時間」を仕様書から確認します。型式にはこれらの情報がコード化されています。よくあるトラブルとして①接点の溶着(大電流・頻繁な開閉による過熱)→接点容量に余裕を持った選定や半導体リレーへの変更で対策。②コイルの焼損(規定外の電圧印加・連続使用による過熱)→規定電圧確認・デューティ比の見直し。③チャタリング(接点振動による誤動作)→ソフトウェアフィルタやチャタリング防止機能付きリレーの選定。

半導体リレー(SSR)の特徴と活用

半導体リレー(SSR:Solid State Relay)は機械的な接点を持たず、フォトカプラとトライアック(またはMOSFET)で回路を切り替えます。メリットは①接点がないため長寿命(機械的リレーの100倍以上)②高速応答(マイクロ秒〜ミリ秒オーダー)③無音・無火花④電子回路で容易に制御可能です。デメリットは①オン時にも微小な漏れ電流が流れる②発熱が大きくヒートシンクが必要③過電流・過電圧に弱い④高価です。温度コントローラのヒーター制御・三相モータの正逆転制御・照明の調光など、頻繁な開閉や無音化が必要な場面でSSRが採用されます。

リレーの電気回路での役割(信号増幅・電気的絶縁)

リレーには「信号増幅」と「電気的絶縁(ガルバニック絶縁)」という2つの重要な役割があります。PLCの出力端子はDC24V・数十mAの小電流しか扱えませんが、リレーを介することでAC100/200V・数Aの大電流回路を制御できます。これが信号増幅です。電気的絶縁はコイル側(低電圧制御回路)と接点側(高電圧動力回路)が電気的に分離されているため、万が一接点側で異常電圧が発生してもコイル側の制御回路を保護できます。フォトカプラ(光結合素子)はリレーと同じ絶縁機能を半導体で実現したもので、高速切り替えが必要な回路で使われます。

リレーを使った基本回路(AND・OR・NOT・フリップフロップ)

リレーを使って論理回路を実現できます。AND回路:2つのリレー接点を直列接続、両方がONのとき出力がON。OR回路:2つの接点を並列接続、どちらかがONで出力がON。NOT回路:b接点(ノーマリークローズ)を使用、入力がOFFのとき出力がON。フリップフロップ(自己保持):リレー自身のa接点を並列に接続してON状態を維持する回路。PLCが登場する前は工場の制御システムはすべてリレーとタイマーで実現されており、「リレー盤」と呼ばれる大型の制御盤が使われていました。現在も単純な保護回路・非常停止回路などでリレー回路が現役で活躍しています。

電流継電器と電圧継電器(保護継電器)

保護継電器はリレーの一種で、系統の異常(過電流・不足電圧・地絡等)を検出して回路を遮断する保護機能を持ちます。過電流継電器(OCR)は規定値以上の電流が流れたとき動作します。不足電圧継電器(UVR)は電圧が規定値以下に低下したとき動作します。地絡過電流継電器(OCGR)は地絡(アース短絡)電流を検出します。高圧受電設備の保護には計器用変流器(CT)・計器用変圧器(VT/PT)と組み合わせた保護継電器システムが必須です。デジタル保護継電器(マルチファンクションリレー)は複数の保護機能を1台に統合しており、事故記録・波形解析機能も備えています。

リレーの主要メーカーと型式選定

リレーの主要メーカーとしてオムロン(MY・MYQ・G2Rシリーズ等)・パナソニック(JW・JQシリーズ)・富士通コンポーネント・TE Connectivity(SCHRACK)・タカチ電機・IDECが国内外で広く使われています。型式選定では①コイル電圧(AC100V・AC200V・DC12V・DC24Vが一般的)②接点構成(1c・2c・4c=a接点とb接点の組み合わせ数)③定格接点電流(AC250V/5A・DC30V/5A等)④取付方法(PCB実装・ソケット取付・DIN rail)⑤使用目的(汎用・高頻度開閉・微小信号等)が確認ポイントです。ソケット(クランプソケット・ネジソケット・DINレールソケット)はリレーの着脱を容易にし、保守時の交換が簡単になります。

リレーの試験・点検方法

リレーの動作試験はテスタ(マルチメータ)とリレーの規格書があれば実施できます。①コイル抵抗測定:テスタの抵抗レンジでA1-A2間を測定、規格値内であることを確認。②コイルへの電圧印加:規定コイル電圧を印加してリレーが動作(クリック音)することを確認。③接点の導通確認:動作前後でa接点・b接点の導通を確認。④絶縁確認:コイルと接点間の絶縁抵抗を確認(最低1MΩ以上)。現場での点検では電磁開閉器の動作確認ボタン(テストボタン)を押して接触器の動作を確認する方法もあります。リレーの交換時期の目安は電気的寿命(定格の開閉回数)に達したもの・接点の焼損が見られるもの・コイルの絶縁劣化が疑われるものです。

よくある質問

リレーが動作しない原因は?

リレーが動作しない主な原因として、コイルへの電圧・電流が不足している(電圧降下・断線)、コイル自体の断線、接点の接触不良(酸化・カーボン付着)、バネの疲労による接点復帰不良などがあります。テスターを使い、コイル両端の電圧を確認し、次に接点の導通を確認するというステップでトラブルシューティングを行います。

リレーのコイル電圧の種類は?

リレーのコイル電圧は製品によって異なり、DC5V・DC12V・DC24V・AC100V・AC200Vなど多様なラインナップがあります。制御盤ではDC24Vが最もよく使われます。PLCの出力電圧に合わせて選定することが重要で、誤った電圧のリレーを接続するとコイルの焼損や動作不良の原因になります。

まとめ

リレーは小さな制御信号で大きな電力回路をON/OFFする継電器です。a接点・b接点・c接点の違いと動作を理解することが、シーケンス制御・回路読解の基礎となります。PLCと組み合わせて使われることが多く、現代の制御盤には欠かせない部品です。

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